5月も足早に過ぎて、あっという間に
6月に入ってしまったという気がするけれど、
自然界は5月には5月の季節の恵みをふんだんに届けてくれた。
初夏の透き通るような青空、
暑くもなく寒くもなく丁度いい加減の、気持ちのいいそよ風。
点描画のように入り混じる初々しい若葉の淡い緑。
日に日に勢いを増す繁みが照り返す陽射しのキラキラ。
暖かな日に数を増して、目の前をツイッと横切るシオカラトンボ。
薄暗い林の中に入ると、
どこからともなく漂ってくる甘い花の匂い。
テイカカズラが咲くには、まだ時期が少し早いはずと思いながら、
どこかにその匂いの正体がないかと木立を見上げても、
どこにも見当たらない。
そんな日がしばらく続いた後に、
ようやく白い風車のような形をした花が
梢を伝っているのを見つけたり。。。
(去年と比べると随分少なくなっている)
5月の末には早々とモンキアゲハも姿を見せ始め、
思い入れの深いサワガニもいきなり玄関前に現れた。
毎年お馴染みの花ミョウガやコアジサイも、思いがけず咲いていた。
コアジサイは小径の脇でひっそりと、線香花火のような
可愛らしい花を咲かせている。近づいて匂ってみると
強い甘い香りがして存在感を放っている。
今年は私の季節感を前倒しにしながら季節が巡っている。
毎年繰り返される花や虫、小さな生き物たちとの出会いが、
廃れてしまった里山を歩く私のひそかな歓び、
誰も知らない第一発見者、
特権階級の贅沢だと独りごちる。
https://www.mirikomurakami.com/entry/2019/06/09/093448
*コアジサイの写真を載せた過去の記事
https://www.mirikomurakami.com/entry/2019/06/09/101644
*モンキアゲハの写真 過去の記事
https://www.mirikomurakami.com/entry/2019/06/09/202001